統
合本部の議員3人が見た 政府・東電の原発事故対応
熊田議員「原発に関して安全神話的な部分もあって、危機管理体制につい
て普段からマニュアルもなければどうすればいいという意識もなくて、そこ
に一番の本質的な問題があると思います。ただ今回この教訓を踏まえた上
で、こういう時はこうするんだ、という危機管理体制を作っておくと、そこ
でかなり改善されると思うんですね。ただ、この問題が終わったら危機管理
も終わりになってしまう、というのがこれまでの日本政府の課題だったん
じゃないかなと思います。今度、原子力安全庁ができるのであれば、今回の
問題を踏まえた上で、将来に渡って問題意識を持ち続けて、それに対して対
応できるかという組織をきちんと作らなければいけません」
石井議員「国がもっと前面に出るということを、こういう危機管理の時に
は明確にしなくては駄目だと思います。東電が主体的に対処する問題ではな
いんですけど、東電のサポートを国がしているということでありましたか
ら、それはやはり駄目だと思います。細野さんが言ったことなんですが、
『こういう時のマニュアルというのは、見事に役に立たない』と言うんです
よね。つまりその時には、人に権力を持ってもらって、その権力と決定権限
のある人が、その場のさばきで決めていかなくてはなりません。もちろん機
能するマニュアルであればそれに越したことはないのですが、今回のマニュ
アルが機能しなかったのであれば、それをどう見直していくか、そして国が
前面に立つかというところだと思いますね」
緒方議員「国の法律とか総理に与えられている権限というのはバッチリそ
ろっていて、今回の対策でも、総理は原子力災害対策本部長として与えられ
ている権限は絶大なものがありまして、正直、法律に基づいた体制組みが
しっかりしていれば、もう少し回り方が違ったんだろうなと思います」
統
合本部に詰めた3議員 今後のエネルギー政策
熊田議員「原発は安全神話の中で進んできましたが、今回のことで、
決してそうではないことを痛切に感じたわけですから、将来的には脱原
発の方向へと進んでいかなければいけないと思っています。ただ一方
で、今日明日急に止められるわけではありませんから、その中で代替の
新エネルギーの開発や省エネですとか、同時にもっと大きな課題として
は、これまで溜まってしまった放射性廃棄物をどうしていくかというの
は、真剣な取り組みが必要じゃないかなと考えています。ただ、単に
ソーラーや風力発電などが言われていますが、それで全て補完できると
正直思っていません。さらなる新たな代替エネルギーを考え、それが次
の成長戦略にもつながっていくと思っていますので、そういった大きな
視野でエネルギー政策全般を問い直すべきだと考えています」
石井議員「関西の例で言うと一番分かりやすいのですが、震災前の日
本全体の原子力の依存率は3割、関西では5割なんですよ。大飯・高
浜・美浜という3つの原発をメインに11基ある内の7基が今後10年
間で40年を迎えるんです。つまり、スリーマイル島の教訓から分かる
ように、これから我が国は30年間新設の原発ができないわけです。そ
して、関西の半分以上をかかえている大飯・高浜、・美浜が、放ってお
いても差し替えできなければ、少なくなっていくわけです。ですから、
原発を現状維持するというのは論理的に不可能なんです。そういう意味
では、現実的に天然ガス等に頼っていかなければ回っていきません。何
を選択するよりも対応年数を迎えるわけですから、そういう中で現実を
しっかりと見極めながら、30年先をどうするかということと、10年
先をどうするかということに関しては別の議論になりますので、ちゃん
と時間軸を区切って議論をしっかりとしていきたいと思います」
緒方議員「全てを再生可能な自然エネルギーで代替できるということ
ではないと思います。仮に原子力発電の全てを火力に置き換えたら、電
気料金がすごく上がりますよ。耐用年数がきた原子力発電所を廃炉にし
ていくことであれば、それによって電気料金が上がり、我々の生活にの
しかかってくる、ということについては目を背けてはいけないと思いま
す。これは増税みたいなものですので、負担が増えることをあえて我々
は受け入れなくてはいけないんじゃないかと思います」
福田教授「原子力安全庁という組織は駄目だと思います。安全管理を
するというのは、まったく今までとマインドは変わっていません。それ
よりむしろ、危機管理の制度を変えていかないと、リーダーもマインド
も変わっていきません。やはりオールハザードで対応できる、インテリ
ジェンス機能を持った危機管理庁なようなものを内閣の下に作る。災害
対策基本法で決められていて権限を持っていても、結局現在の首相はそ
れを使えないんだったら、やはりもっと強力な非常事態法とか緊急事態
法という制度を変えていくことも必要かと思います」