文部科学委員会 放射線に対する防御能力、汚染土壌再利用に関する参考人質疑
平成23年08月03日
石井(登)委員
本日はありがとうございます。民主党の石井登志郎と申します。
まず、米倉参考人にお伺いさせていただきます。
生体防御能力と、あと、先ほどインド・ケララ地方の例を出していただきましたですけれども、この防御能力というのは人種によって違いはあるのかと。
例えば、白人の方と黒人の方だと紫外線に対する耐性が変わって、大きく違うんじゃないかというようなことをおっしゃる方もいらっしゃいます。この地方の方々は、何か本質的にいわゆる防御能力が高いというようなことはデータ的にあるのかどうか。
また、あわせて、こういう人種の問題でなくて、例えば私のような者がこの地方に生まれ育ったら、この日本に生まれ育った方々よりも高い能力がどんどんついていくものなのかどうか、この点についてお聞かせください。
また、もう一点、米倉参考人にお伺いいたしますが、高線量の被曝と、それから低線量による持続性の被曝ということでありますが、これは、どこからどこが高線量で、どこからどこが低線量かというようなこと、何かイメージでも結構ですから、ちょっと教えていただければと思います。
そして、一点、鈴木参考人にお伺いいたします。
いただきました資料の二十三ページのところにありますが、「汚染土壌再利用(構想中)」と書いておられまして、そして右に図があるわけですけれども、これについて、この構想が、実現のめどというか、現状、どのようなものなのか、あと、これはそもそもどういう概念なのかというのをちょっと詳しく教えていただければと思います。
というのも、これから、限られた校庭だけでなくて、相当膨大な量の除染をすると、汚染土壌というものも相当膨大になってくると思いますので、再利用、こうしたことが必須になってくると思うんですが、現状についてお聞かせいただければと思います。
よろしくお願いします。
米倉参考人
二点、御質問がありました。
まず、放射線の防御能力ということで、人種による差はどうだろう、もう少し突き詰めて言いますと、個人差があるのかどうかということになるかと思います。
現在のところ、先ほどお話をしましたインドのケララ以外に、いわゆる自然放射線の高い地域としては、例えばイランのラムサール、あるいは中国の黄土高原という奥地の地域等がございます。これらのところでも、いずれも発がんのリスクが上がるというデータは出ていませんので、比較的いろいろなところでいろいろな人種に見られる現象かなというふうに思っておりますが、残念なことに、日本人のデータがどうであるかということを示すものはございません。
そういう意味では、そのまま答えにはならないのですが、片方で、実は、放射線に対する生物学的な反応というのはよく知られております。特に、動物実験で、比較的低い線量の放射線を与えますと、その後に引き続いて高い線量、低い線量、高い線量は後で御説明いたしますけれども、高い線量の放射線を当てたときに、障害が起きにくいという現象も見られます。
これは適応応答というふうに呼ばれておりまして、まず最初に低い線量を与えられたときに、生体が何らかの反応をして、防御機構が働くということが知られています。
これは、例えば病気ですと、心筋梗塞の患者さんというのは、突然発症をすると亡くなる方が非常に多いのですが、狭心症を繰り返していると、それに対する耐性ができる、あるいは脳梗塞等でも同じような現象が見られていまして、放射線にもよく似たような現象があるようであります。
そういうことから考えますと、低い線量をずっと浴び続けていると、それなりに体がそういうものに対して抵抗ができるという可能性はありますが、これはきちっとした証明ができているわけではありません。
それよりも、我々として考えていますのは、人種による差というよりも、個体差がかなりあるかもしれないということは懸念としてございます。
それは、実際に放射線治療をやったときに、障害のあらわれるあらわれ方が、非常に強い副作用の出る方がいらっしゃいます。これに関しましては、現在、私どものところで、その方の遺伝子を調べて、どういう遺伝子を持っておられる方がそういう、放射線に強いあるいは弱いという現象があるのかということを、臨床的に人で調べている状況でありますので、こういった研究もぜひ続ける必要があるかなというふうに思っています。
それから、高線量と低線量をどこで分けるのかと。
実は、切れ目は当然ないわけでありますが、放射線防護の世界では、現在のところ、百ミリシーベルトあるいは二百ミリシーベルトといったところで分けられています。
これは、国際的な機関である国連の科学委員会あるいはICRP等、それぞれの機関によってその考え方は若干異なりますが、先ほどお話をしましたように、放射線を受けたときに直ちに影響が出る線量を高線量、そして、百ミリシーベルト以下ではそういった影響は出ませんので、そこを低線量と言うことが多いように思います。
実際に、いや、低線量の中でも百ミリシーベルトなら安全なのか、十ミリなら安全なのか、そこに切れ目が現在ないのは事実であります。このあたりは、先ほど私の意見表明の中で御説明をさせていただいたとおりです。
以上でございます。
鈴木参考人
ありがとうございます。
ここの資料にございます「汚染土壌再利用(構想中)」というところでございますが、これは、いろいろな方法が現実的には考えられるんだと思います。
例えば、先生おっしゃいますように、量的に大変膨大になってまいりますと、やはりそれなりに対策を打たないと、実際問題として扱いが難しくなりますので、そういう場合に、例えば再利用の可能性としては、セメントをつくるときに一部まぜて使うというようなことが考えられると思いますが、しかし、それは当然のことながら、そのセメントを使う場所というのは限定されて、十分放射線の管理ができるようなところということになろうかと思います。そういう場合は、当然いろいろな法的な規制もございますので、そういうものをクリアしないといけない。
原子力発電所でも今いろいろな廃棄物が出てまいります中、やむを得ず、これは最終的に廃棄物として扱わなきゃいけないというものはリサイクルできませんが、できるだけやはりリサイクルをしようという方向はあるわけでございまして、それも、一部放射性物質がまざっている場合であっても再利用が可能な場合は、可能な場所で使用目的を限定して使うようにしようということでございます。
私は、福島のような場合はそういうことも十分考えるべきではないか、そんなふうに思っております。
ありがとうございました。











